CONCEPT（開発主旨）

新築住宅価格高騰と空き家問題：低コスト高効率なリフォーム技術による解決策

日本の住宅市場は、深刻な課題に直面しています。職人不足と2025年4月からの建築基準法改正による省エネ規制強化により、新築住宅のコストは上昇の一途を辿っており、木造住宅は坪100万円を超える価格帯となっています。30坪の新築住宅であれば3000万円を超え、特に若い世代にとって住宅取得は困難な状況です。一方、長年にわたる人口減少と新築住宅中心の社会政策により、全国的に空き家が増加し、特に地方では深刻な社会問題となっています。

これらの状況を踏まえ、今後の住宅需要は、コストと人材不足を考慮すると新築から中古リフォームへと確実にシフトしていくと予想されます。地域に根差した工務店やビルダーにとって、生き残りをかけた戦略として、既存建物を活かしたコストパフォーマンスの高いリフォーム技術の開発が不可欠です。既存建物のリフォームにおいては耐震改修と断熱改修が重要な要素となります。しかし、断熱改修は高コストになりがちで、リフォームを選択するユーザーにとって大きな負担となります。

そこで私たちは、既存建物の断熱改修におけるコスト削減と快適性向上を両立する新たな技術を開発しました。この技術は、床下全体を高断熱材で覆うことで床下温度を15度に保ち、窓を二重サッシにすることで、室温を20度に維持します。床下から暖めることで、室温を高くしなくても快適な居住空間を実現し、従来の断熱改修に比べて大幅なコスト削減を実現します。この床下15度・室温20度という環境は、素足で歩ける床と、暑すぎない快適な室温を両立した、冬の理想的な住空間と言えるでしょう。本技術は、高騰する住宅価格と増加する空き家問題の解決に貢献し、地域社会の活性化にも寄与すると確信しています。